Reiren

雨に唄えばのReirenのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
3.7
良いと思った所

◎タイトルの「雨に唄えば」の場面が、
他のミュージカル・シーンと明らかに
色調も構成も違っていて、
この映画が観客に伝えたい
メッセージがよく出ていて良かった
(酷い雨降り(のような人生)でも、
ここには太陽の光が射している(と思おう)

◎少々古さは感じるが、端役まで行き届いた
お洒落な衣装

◎無声映画の撮影シーンでドンとリナが
愛を語る場面なのに、
それっぽい芝居をしながら毒舌痴話喧嘩
しているのには笑った

◎ジーン・ケリーとドナルド・オコナーの
ダンスシーン、
ほぼノーカットで高度なステップを
難なくこなして踊りきる気迫が凄い

◎キャシーが、気取った所や媚びた所のない
等身大のヒロインで好感度大

◎映画界が無声映画→トーキー映画に移行した頃の
出来事や苦労が、ストーリーやキャラクターに
上手く絡めて描かれている

◎様々な映画用のセットの前を歌い踊りながら
通る場面
なんて贅沢な! 
映画全盛時代の空気を感じられて良かった

◎基本的に前向き。前向きであろうとする
ポジティブな姿勢がいい
ショー・ビジネスはこうあるべき、みたいな

◎ハッピーエンド


今ひとつと思った所

◎ドナルド・オコナーの方がダンスのキレは良かった
ジーン・ケリーは頑張っていたけど
ちょっと追いついていない(だからこそ
ひとりで踊った「雨に唄えば」の場面が印象的に
なったとは思う)

◎笑いを取ろうとする芝居っ気が
時々くどく感じる事がある

◎フランス贔屓の私には、作品の中の映画で
フランス人やフランス文化を
小馬鹿にしていたのが気に障った

◎勧善懲悪好きなアメリカ映画らしいが、
リナが嫌味なおバカっぽい悪役に描かれていて、
終始ヒロイン・キャシーの引き立て役に
されていたのが不憫に思えた
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観終わった後、「雨に唄えば」の場面が
鮮やかに記憶に残る

観て損はない、一本だと思います
Reiren

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