半兵衛

新宿純愛物語の半兵衛のレビュー・感想・評価

新宿純愛物語(1987年製作の映画)
2.0
『ビー・バップ・ハイスクール』でノリに乗っていた那須博之監督と仲村トオルがその勢いのまま作ってしまったアクション映画だけれど、あまりにもその場の勢いを優先&無茶なアクションを要求しまくった結果荒唐無稽すぎて漫画チックというより『ファイナルファイト』や『龍が如く』のようなゲームチックな作品に。

でもアクションばかり凝りすぎて物語がスカスカの空洞状態なので飽きてしまうかな、あと突如異世界に飛ばされてきて暴れまわっているような正体不明の仲村トオルやそんな彼を好きになる新宿にペットの猫を連れてくるヒロインなど登場人物が結構ぶっ飛んでいて彼らがヤクザから金を奪ったり無線飲食したりと無茶苦茶をやっているのを見ると「いくらバブルでもここまでやるか」とちょっとひいてしまう。仲村トオルが銃をぶっぱなしても一緒に行動するヒロインが別に何ともとも思っていないって…、ここは日本じゃないのか。あと肝心の主役の演技がぎこちない&ヒロインがあまりにも素人なのが致命的。

それでもスピーディーで無茶なアクションは見ごたえがあるし、脇役で日活ロマンポルノでお馴染みの俳優たちが顔を出してくるのがファンとしては嬉しくなる。そして『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』のジョン・ローンみたいなヤクザを演じる松井哲也(のちにダスマダー大佐を演じることで知られる)が結構似合っていてそこは良かった。

大地康雄の悪党っぷりもそれなりに面白いけれど、途中から無理矢理悪役にキャラ変されたようなところもあってちょっと可哀想に。

そして藤純子よりも破壊力のある主役二人によるデュエットの主題歌も聞けば聞くほど味が出る。
半兵衛

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