豚肉丸

薔薇の葬列の豚肉丸のレビュー・感想・評価

薔薇の葬列(1969年製作の映画)
4.7
ゲイバーで働く美少年が恐ろしい背景を持った自分の出生を知ってしまうお話

滅茶苦茶凄い!!面白いとか云々かんぬん抜きにして、ただただ凄すぎる!!
壁一面に詰められるようにして貼られた『アポロンの地獄』のポスターのカットからわかる通り、本作は『オイディプス王』をゲイバーを舞台に再構築したような物語。なので物語の本筋だけ見るとたった数行で完結してしまうぐらいにはシンプルなのだが、時系列の組み換えと視覚的な演出の連続とメタ的な構成によって、何もかもがぐちゃぐちゃに絡み合ったアヴァンギャルド映画に仕上がっていた。しかも、何もかもがぐちゃぐちゃで複雑にも関わらず、ちゃんと整合性が取れて纏まっていて、面白いのだから不思議だ。

特に1番良かったのが時系列の組み換え方。ぶつ切りのショットや連続性の無い映像やフラッシュバックのような映像が頻発してかなり見辛いし追いかけにくいのだが、これらの映像が再構成されて再び流されることで徐々に全貌が見えてくる構成がとにかく凄い。まさにフィクションとメタを織り交ぜたからこそ許される演出なのが最高。
あとマリファナを回して吸って裸で踊り狂う映画サークルの場面が最高。全てが好きな映画なのだが、この場面だけ特に大好き。
ラストの例のアレも含めて、何もかもが最高な映画だった!!大好き!!
豚肉丸

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