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マイ・マザーのcrnのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・マザー(2009年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

19歳のドランが、自分自信の葛藤をすっかり終えて、経験や思いをこんなにもきれいに分かりやすく作品にできているということに驚き。音楽の使い方、色味の分け方、画面構成で人の気持ちや世界を見せる方法、もうしっかり確立されている。想像の世界や、劇中劇的な自撮り動画や詩、過去の思い出など、挿入がわりと多いのに、作品全体の中にすんなり入っていて、逆にパート分けをしっかりさせて各部を引き締めさせているのもすごい。
子どもにとって親の、たぶん特に母親の、存在は絶対で、否定することは自分を否定すること。母親が一人の他者になると、不完全さに目が向き、好きになれないことや人として尊敬できないことがでてくる。その先に、自分の核の中に母親の存在を認めることを、主人公が若くしてできたのは、他の人たちの色々な感情や対応に囲まれてすでに他者性を見る力があったからなのかも。
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