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マイ・マザーのmikenekosのレビュー・感想・評価

マイ・マザー(2009年製作の映画)
3.5
何でもかんでも干渉してくる母親とそれに辟易する息子のお話。本作の母親を見て「毒親だなぁ」と思ってしまったのは自分自身が親という立場ではないのと、両親との距離感に恵まれていたからなのだろうか。

本作の親子のように声を荒げて口論することはないにしても多少こじれたことはあると思う。だから作中で喧嘩してることに多少の理解はできるのだけど、流石に大揉めし過ぎて共感は全くなかった。

理解の得られない相手に対しては、感情をぶつける前に諦めてしまうか、感情を理性でねじ伏せることしかしてこない人生を送ってきたなぁと、本作を観て気付いた。ただ、その相手が自分の親、あるいは子の場合は程度の差はあれど、きっと感情的になってしまうんだろうね。

ドラン映画は三本目になるけど、毎回気付かされることが多く、普段思考できてない頭を使えているような気になれるのが良い。人生を全力で生きて、愛について真剣に向き合った人たちにハマるのかなと感じる。ただ、自分はそんな生き方をしてきていないので何処か冷めた目で観てしまうのが残念極まりない。

しかし、19歳でこれを撮り、尚且つ処女作って……。経験値が人間の一生を超えちゃってる気がして恐ろしい。

あ、ペンキのシーンや、購入する果物たちがフラッシュ暗算の如く画面いっぱいに写るシーンの色使いやら演出は滅茶苦茶好きでした。
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