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緋牡丹博徒 花札勝負のTaiRaのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 花札勝負(1969年製作の映画)
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加藤泰のローアングルは賭場映すのにピッタリだな。

藤純子が子供助ける冒頭からして何か凄い。スーパーヒーロー化してる。ニセモノお竜騒動と人情モノ、渡世人の義理とヤクザの美学、何でも入ってて最高に泣けるし面白い。今回も通りすがりの高倉健が助けてくれるし、若山富三郎は飛んで助けに来てくれる。今回の敵役が小池朝雄で最高。加藤泰のローアングルって威圧感の演出も踏まえてるからやっぱし悪役が映えるね。嵐寛寿郎親分の息子と敵対ヤクザの娘の駆け落ちを助ける藤純子が馬車で荒野走り出すとこガン上がり。それを追う高倉健が侠気見せて見逃してくれるとこも100点。この時の青空がまた良い。高倉健がこれまた一宿一飯の恩義で嵐寛寿郎を斬りに来るとこも雪と併せてキマってる。シネスコと決闘の相性ね。台詞も一々カッコイイし。ピンぼけ位置の役者の芝居が良いよね、加藤泰の映画。レンズと構図の上手さかな。雪降る高架下、汽車が通ると蒸気が下に落ちて来るのを背景に、高倉健と藤純子の相合傘って、おい最高かよ。親分斬られて黙っちゃいられない山本麟一がまたまた一人で特攻、瀕死で戻りみんなに囲まれながら死んで行くのも流石。寛寿郎の芝居が泣けるぜ。大揉め事を一騎打ちの賭けで収めようとするやつも、かなりおもろい。汐路章の顔怖すぎ。あと賭け事のルール分かんな過ぎ。祝儀の席に瀕死の寛寿郎が出て来てそのまま絶命するのも良い。座ったまま死ぬの。クライマックスで藤純子と待田京介が殴り込み行く決意した次のカットで衣装変わってんのも堪んない。雪の中斬り合う大乱闘も情緒あって良し。やっぱ加藤泰と言えば雪ですわ。
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