じう

裏窓のじうのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
3.5
ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ?)の原作がどんな結末だったか忘れてしまったが、殺人事件を証明する物的証拠は何一つ出てきていないので、折角だから、この物語は徹頭徹尾、主人公たちの誇大妄想であるという前提で観てみることにした。
知らんうちに知らん誰かの話のネタとして消費され、殺人犯としての振る舞いを求められ、挙句わけのわからん美人に家宅侵入までされ、精神的に追い詰められていくソーワルドの姿は、常に匿名の視線に囲まれている現代の息苦しさと通じるものがあって、むしろ怖かった。
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