Tryoku

裏窓のTryokuのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
5.0
他人に対して普段は無関心なくせに、何かあった時の好奇心と野次馬根性は旺盛に持ち合わせているという都市生活者のグロテスクな気質が見事に描かれている。双眼鏡をスマホに持ち替えばそのまま現代人の姿になるだろう。
主人公たちが終始傍観者の立場で安全地帯にいたからこそ、見る者が見られる者へ一気に反転する終盤の展開はとてもスリリングで素晴らしい。

彼らがあれこれ推理を繰り広げる様子は、中井英夫の『虚無への供物』を思い出したりもした。
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