映画は最高の娯楽

裏窓の映画は最高の娯楽のレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
3.4
足を骨折し、部屋に篭りきりの主人公は窓からアパートでの殺人事件に気がつく...

流石に展開に無理がありすぎる。
アパートで誰もカーテンを使っていない、プライバシー丸出しという、明らかにおかしい。
しかも主人公は覗き見を何の悪気もなく行なっている。
映画の本質であるサスペンス展開以前に無駄に考えてしまう。鑑賞中のノイズが凄い。

推理は基本妄想、偏見。説得力のない語り手が行う推理のモヤモヤ感は絶妙。
骨折で動けない主役の視点という、限られたカメラワーク、空間での推理展開も新鮮。

だが、覗き見という性質上、情報が限られる故の緊張感の無さというか、俯瞰的なショットは一線を引いて見てしまう。絵面が退屈で集中力も切れる。

画面上での出来事が全てで、観客の裏をかく演出がない為、若干の物足りなさを感じた。

物語が動き出すのも中盤からでテンポは悪い。
監督意図してとのことらしいだが、ラストはモヤモヤが残る。