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裏窓のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
3.9
コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の短編小説(原題:"It Had to Be Murder")をもとにアルフレッド・ヒッチコック監督が映画化。
「裏窓」からの主人公の視点(観客も同じ視点になる)で描かれた実験的作品で、サスペンスにユーモアを織り込んだ代表作の一本。
原題:Rear Window (1954)

報道カメラマンのジェフ(ジェームズ・ステュワート)は取材中に足を骨折し、ニューヨーク、グリニッチ・ヴィレッジのアパートで療養中。
車イス生活で身動きの取れない彼は退屈しのぎに、窓から見える中庭と向いのアパートの住人たちを眺めて(覗いて)いた。
やがて、セールスマンの男(レイモンド・バー)の部屋から、彼と口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなる。
ジェフは男が妻を殺したと推測するが、知り合いの刑事(ウェンデル・コーリー)は取り合ってくれない。
一方、恋人のリザ(グレイス・ケリー)と看護人ステラ(セルマ・リッター)の女性2人は、やがて興味津々となり、調査に乗りだす…。

「次はこれを楽しみましょう」

包丁、のこぎり、ロープ、スーツケース、花壇、子犬、結婚指輪、フラッシュ、ピアノ曲などがうまく使われている。

向かいのアパート(見事なセット)の住人たち…
ミス・グラマー(ミス・バレリーナ)、新婚夫婦、ピアニスト、犬を飼っていてベランダで寝る夫婦、ミス・ロンリーハート(ジュディス・イヴリン)などの日常もうまく描かれている。

エリア・カザン監督の「波止場」を断ってこの作品に出演したグレイス・ケリー(ヒッチコック作品3作目で最後)は、どちら(の作品と監督)が自分の魅力を引き出せるか良く分かっていたのかも知れない。
綺麗で品のある彼女を見ているだけでも満足。
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