kwr

モーリスのkwrのレビュー・感想・評価

モーリス(1987年製作の映画)
3.5
4Kでの劇場公開版で見る。自分はあまりこういうリマスタリングっていうものを信用していなかったんだけど、1987年の映画にしてはかなり綺麗な映像になっていたので、なかなか技術は進歩しているんだなあと感じた。そのぶん音響の古ぼけた感じとのミスマッチさが気になったけど…。

この手の映画は何本か見てきたけど(途中で見るのが止まって配信終了してしまった『ブロークバック・マウンテン』含め)、この映画が一番直接的に同性愛者いかに生くべきか的な問題を正面から取り扱っているという印象だった。
「根は異性愛者なんだけれども、この相手とは同性愛関係、故にこの恋愛は特別でピュアなもの」という、ある種の危うい描き方(と自分は思っている)ではなく、根が同性愛者として生まれた苦悩をかなーりストレートに描いている(なおかつ現代よりも周囲の理解が格段に乏しい)ので、同性愛に悩む人とかが見ると励まされることもあるかもしれない。
全体としては二部構成、と言っていいのか、そんな感じなんだけれど、ちょっと後半話のテイストが変わってしまった(演出とかもうちょっとどうにかならなかったのか)部分もあり、後半いらないのでは?という気もしたんだけど、後半があることで話全体の筋が通る、モーリスとクライヴの対比が明らかになる訳で、まあ必要なのかな、と。
またもしかしたら見返したくなるかもしれない映画です。
kwr

kwr