ShigeakiMiyano

ドラキュラのShigeakiMiyanoのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
3.5
公開を期待していた新作の「ドラキュラ/デメテル号最期の航海」どうやら地方都市
では観られそうもないので、92年に公開
されたフランシス•F•コッポラ監督版の
「ドラキュラ」をDVDで見直しました

百年以上も前にブラム•ストーカーにより
執筆されたホラー小説の主役は一世紀もの
時を経ても多くの人々を魅了し続けていて
星の数ほどの吸血鬼物語が紡がれてます
長い年月の間に様々な解釈のドラキュラが
登場して来ましたが、このコッポラ監督版
ではかなり原作に忠実に描かれています

92年公開の作品ですが今から考えると
豪華なキャスティングです
主役(?)のドラキュラ伯爵には「レオン」
などでの怪演が忘れられない名優の
G•オールドマン、彼に一目惚れされちゃう
ヒロインをW•ライダーが好演してます
彼女の婚約者で翻弄されるのがようやく
人気が出て来た若きK•リーブス
そしてドラキュラ伯爵の好敵手となる
ヘルシング教授の貫禄そのもの名優である
A・ホプキンスが担当しています

故郷トランシルバニアの領主として迫る
トルコの大軍に果敢に戦いを挑むドラクル
と妻襲う悲劇と言う前日譚をしっかりと
描く事で後半のドラキュラの行動にも
ちゃ〜んと理由付けが出来るんですね

ルーマニアの古い城の主である年老いた
ドラキュラと英国に渡り紳士然とした姿
どちらもオールドマンとは思えないほどの
変貌ぶりですし、禍々しい古城でキアヌ君
を襲う “ 三人の花嫁 ” の登場シーンや
ドラキュラ本人と違う動きをする影など
ゴシックホラーらしい恐ろしさを演出
残念ながら「デメテル号」のプロットは
割愛されてますが…後半の倫敦へ舞台を
移すとテンポが上がり次々と起こる怪異と
それと向き合う人間側との死闘に見事に
ラブロマンスを融合させる手腕は流石に
名監督コッポラならではでしょうか
その年のアカデミー賞で衣装を担当した
石岡瑛子さんがオスカーを受賞、他にも
メイクアップ賞と音響効果賞を受けてます

この作品が公開された数年後にはこれも
古典ホラーの「フランケンシュタイン」が
R•デニーロとK•ブラナーの共演で製作されていてゴシックホラーに再び脚光が
当たりましたね。
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