ShigeakiMiyano

ガンヘッドのShigeakiMiyanoのレビュー・感想・評価

ガンヘッド(1989年製作の映画)
3.0
35年前に公開された時点では「失敗作」の
烙印を押されてしまいましたが、ごく一部
熱狂的なファン層の根強い支持に後押し
されジワジワと再評価されつつある伝説的
カルトムービーです

今では骨太な人間ドラマを十八番とする
原田眞人監督が暗中模索していた初期の頃
の作品なので演出は荒削りですねぇ〜
細部まで練り込まれた設定も活かし切れず
早い展開はまるでジェットコースター!
演者のセリフは聞き取りづらいし…
あれこれ伏線を配しているのに回収して
いないし、小ネタや裏設定も観客には
伝わっていないのが残念です
オフ会などでファンが集まれば一晩中
盛り上がるような細かな点が優れていても
ドラマとしての評価は “ 下の中 ” かな?
対象としている観客層を狙い損ねてますね

それでも「伝説」へと昇華せしめた理由は
当時「ゴジラ系」では会社から製作予算を
削られ思い通りの作品作りが叶わない
「東宝特撮部」の反骨魂が生み出した
最高峰のミニチュアワーク&特殊効果の
結晶を堪能する事が出来るからでしょうか

ストーリーの中盤、ロボット墓場に残った
残骸から甦った「可変装甲戦闘車両」
ガンヘッドが活躍しだしてからはドタバタ
した雰囲気が一転してキリッと絞まった
印象へ変わっていきます
この作品に携わっているアニメ製作の大手
「サンライズ」の影響が多大だと思います
主役メカガンヘッドは「ガンダム」に登場
する “ ガンタンク ” を連想させるデザイン
35年の時を経ても魅力に溢れる戦闘メカ
( 敵ぼボスキャラ “ エアロボット ” には
もう少し凶々しさが欲しかったかな?)

若き高嶋政宏さんを筆頭に斉藤洋介さんや
川平慈英さんなど今のイメージと違う
ハードボイルドな雰囲気を漂わせようと
必死なのには驚かされます、出番こそ
少ないですがミッキーカーチスさんが
イイ味出していますねぇ

ストーリーも時代の流れに乗っていたし
キャラの設定もユニークで好感が持てる
最大のウリの “ 特撮 ”だって評判通り
なのに興行的にコケちゃった迷作です。
ShigeakiMiyano

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