「ドラキュラ」
フランシス・フォード・コッポラが1992年に監督したブラム・ストーカーの原作に沿った「ドラキュラ」
ストーカーの小説を読んだことはないが、ここ最近何作かドラキュラ映画を観たので、内容自体の理解はかなり容易だった。
中学生の時に劇場で鑑賞した「ドラキュラZERO」の様な衣装と1992年に作られた映画にしては古風な演出で作られたB級感溢れる世界観がすごく好きだった。
CGが多用されているわけではないが、戦前のドラキュラ映画ほどクラシカルなわけでもない。なんとも不思議な作風の映画だった。
何と言ってもゲイリー・オールドマン演じる伯爵が私のイメージの中のドラキュラよりもインパクトありありで素晴らしかった。
真っ白な顔にハートの様な形をした髪型の伯爵は一度見たら忘れられないほどのインパクトと存在感がある。
また、物語後半にヴァンヘルシングらに追い詰められた伯爵が暗闇に消えると共に、そのシルエットがネズミの集合体になるシーンがすごく印象に残っている。この映画の中で一番のシーンはここかもしれない。
先に挙げた「ドラキュラZERO」や「ドラキュラ/デメテル号最期の航海」のドラキュラのビジュアルは本作から影響を受けているところも大きいと思う。
元々、ドラキュラ映画は好きだったが、その気持ちがより一層掻き立てられるような作品だった。