デニロ

適齢三人娘のデニロのレビュー・感想・評価

適齢三人娘(1951年製作の映画)
3.5
1951年製作公開。原作中野実 。脚本中山隆三 。川島雄三監督作品。

あまり似ていない旧華族の姉妹幾野道子と津島恵子がひょんなことから同じ青年若原雅夫に好意を抱いてしまう。しかも困ったことに津島恵子が幾野道子にお見合いの代理を頼んだ挙句の結果として彼と出会ってしまったのです。しかも若原雅夫を揶揄うようにいろいろと悪戯を仕掛けるや益々泥沼に入ってしまう。そして、三人娘のもうひとりが小林トシ子。彼女も青年若原雅夫にぞっこんでストーカー、という話。

昭和26年。太宰治の「斜陽」は没落の意だが、本作の旧華族はなかなかにしたたかだ。旧華族同士の婚約を破談にし、新興成金の娘と婚約。片や破談にされた家も新しい恋愛形式に邁進する。川島雄三は太宰と同じ青森出身だが、南部の出。津軽の太宰を揶揄ったのだろうか。

川島雄三と成瀬巳喜男の作品が掛かると出掛けることにしている。両監督とも大勢の出演者を動かすが、成瀬作品は大勢の人を出入りさせて動きを出し、川島作品の人々はいろんな場所に移動させられて動き回る。本作の出演者もあちらこちらと動いてくのです。
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