死へのプロセス
タイトルから分かる通り、本作は死に纏わる映画だ。
外科手術、メキシコ墓ミイラ、ジャングルの弱肉強食、食人、屠殺場、戦争、病などといった様々な形の死に纏わる映像がナレーションと共に紹介されていく。
この手のモンド映画はフェイクとリアルが混合していることを忘れてはいけない。
1番興味深かったのは屠殺場のパート。
本パートはジャングルやサバンナでの弱肉強食や原住民の文化パートを踏まえた上で進行していく。
食肉には飼育→屠殺→加工→食卓へというプロセスが存在する。
しかし私たちが普段目にする食肉のプロセスとは、加工済みの肉を買って調理する、何なら調理済みを解凍して胃へと運ぶという項目しか存在していない。
現代人はテクノロジー社会の胎内に住んでいる。
テクノロジーには消費者にとってプロセスを省き完成品だけを扱うという利点がある。
これは「便利」という利点であると同時に「知ることができない」という欠点でもあることがわかる。
死に纏わることだけではない、身の回りの様々な物に纏わるプロセスを知ることが、自分自身が生きる社会について考え知るキッカケに繋がるのかもしれないと感じた。