恋愛描写やサイコサスペンスの要素がふんだんに入って、シリーズの中では一番面白い。
濱マイクシリーズでは、マイノリティとされる人々がふんだんに登場しており普段は表舞台に出てこない人々にスポットを当てるのはすごくいいと思う。
今作でも話すことの出来ない夏川結衣演ずる彼女と、不幸な生い立ちを持つ山口智子とミッキー。そして謎の覆面の男。新米刑事など魅力的なキャラクターがたくさん登場する。
中でも永瀬正敏が二役を演ずるミッキーのサイコっぷりは素晴らしい。
そしてストーリーの解釈は、観客にゆだねる感じにはなっているもののいまいち作りこみが甘いところが散見される。どこまでが虚でどこまでが実なのか？ミッキーはマイクのダークサイドとしての存在なのだろうけど、本当に兄弟にしてしまうとか本当は幻だとか語る必要は無いがはっきりした設定は必要だと思う。今のままではどっちとも取れてしまうところがあやふやすぎる。他にも覆面の男は誰なのか？本当に実在するのか？とか、彼女は失語症なのか？それとも聾唖なのか？そして最後の旅行の意味するものとは。。。？
そうした設定の不備や矛盾点は気になるものの、それでもこのシリーズ最高かと思う。
