マーくんパパ

海峡のマーくんパパのレビュー・感想・評価

海峡(1982年製作の映画)
3.5
『黒部ダム』と並ぶ国の威信を賭けて行った国策工事『青函トンネル開通』の偉業を東宝50周年記念映画として製作。計画から全面開通まで22年、(最近まで)世界最長の海底トンネル、その実際の労苦は2時間そこらでは表現出来っこない。ただ地道な坑道作業だけではドラマとして物足りないので主人公の国鉄工事責任者・阿久津(高倉)に身投げを助けられた女(吉永)が阿久津の身の回りを世話して妻(大谷)をヤキモチさせたり、洞爺丸海難事故の生き残り青年(三浦)の成長や、トンネル稼業一筋の老オヤジ(森繁)の矜持らを添えて物語は展開する。『黒部の太陽』と同じく出水事故等厳しい自然と対峙した先人者たちの苦闘が胸熱くさせるが『N H K プロジェクトX』の方がどうしてもより感動的なのは余計な横筋省いた純粋さだからだろうと思う。