青山

アリスの青山のレビュー・感想・評価

アリス(1988年製作の映画)
3.4
「あやつの首をちょん切れ!」(ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』より)

奇怪でキュートで滑稽でグロテスクで摩訶不思議なアリス。

原作では言葉遊びが多用されるが、映像化された本作ではセリフは少なく、言葉遊びを映像遊びに置き換えたかのような、独特の映像の奔流がごごご〜っと迫ってくる。

実写映画ではあるものの、アリスだけが生身の人間で後は人形のコマ撮り。そしてアリス役の女の子もお人形さんみたいに綺麗なので、なんともキュートでファンタジック。なんだけど、かなり気持ち悪さや毒も強い、所謂キモカワ的映像世界が繰り広げられる。

ストーリーは特にないのでもう単純にこの不思議映像を楽しめるかどうかだけなんだけど、私はこれ結構好きだな。お気に入りのシーンはアリスがちっちゃい家に入ってうさぎと籠城戦をするところと、靴下芋虫。靴下芋虫の場面の靴下を脱ぐアリスがめっちゃ良くてなんともイケナイ気分にさせられます。いやロリコンじゃないよ。

あんま一生懸命観るもんじゃないけど、なんとな〜く流し見して不思議の国に浸っていたくなるアート映画。
青山

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