RK

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのRKのレビュー・感想・評価

4.2
2023/12/2再掲

これ、かなり悲しい話なんだな。
父の叶えられなかった夢を僕が叶う
と夢に向かって突き進むも、それは
歪んだ形でしか達成できてない。
大金稼いでも、良い女を抱いても、
根底にあるのは、「自分は詐欺をしているだけ」
という葛藤。
だから、泥水をすすりながらでもディカプリオに向かっていくトムハンクスの方が、ある意味カッコよく見える。

そして素晴らしいのが、途中でモデルとお金でsexをするシーンだ。あそこで初めて彼は、愛さえもお金に換金してしまったんだ。父と母の愛を取り戻すために始めた詐欺が、その肝心の愛さえも騙しとれてしまった…
カットバックのコインランドリーがまた良い。こっちの方がダサく見えるのに、こっちの方が断然カッコ良いのである。

そしてあとこれ、フランクとカールの擬似親子の物語として読んでも素晴らしい。
一方は、父親の墜落により奮闘する健気な息子、他方は離婚して息子を持つことを許されぬ男。互いを求め合ってるんだ、実は彼らは。
印刷所の彼らは、まるで、夕焼けチャイムがなって息子を連れ戻そうとする父親と、そんな父親をからかうように鬼ごっこをしたがる息子の関係性そのものではないか。
カールはフランクを捕まえたいが、フランスの警察にはやらせたくない。彼に取ってフランクは擬似息子だから。
ラスト付近、牢屋でFBIに勧誘するシーン。
フランクが偽造小切手を見破るところを見守るカールを見よ。「どうだ、俺の息子すげぇだろ」と言わんばかりだ。
RK

RK