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武闘拳 猛虎激殺!のスギノイチのレビュー・感想・評価

武闘拳 猛虎激殺!(1976年製作の映画)
3.4
内容はいつものカラテ映画と一緒で、主人公がカラテを駆使してマフィアと戦うだけである。
矢吹二朗が準主人公的扱いで出演しており、当初は敵対していたものの、途中から倉田保昭の仲間になる(次のシーンではいきなり敬語を使わせているので、仲間というか手下だが)。
なお、ここで唐突にシミケンが仲間になるが、理由は最後まで明かされない。

敵役はいつものごとく石橋雅史であり、「奇巌城」なる奇怪なアジトで主人公を待ち受ける。
「奇巌城」が熱海城に酷似しているのは置いといて、そこでは獰猛な虎が飼われている。
倉田保昭や矢吹二朗がその虎と戦うのが本作の見所だ。

主人公を差し置いて矢吹二朗がその虎と闘いだした時点で敗北は見え見えだったが、生きたまま喰われだしたのは中々ショッキング。
ちなみにヒロインらしき女もその虎に食われるが、それに対する主人公のリアクションは特にない。
石橋雅史の奇天烈な手下達を倒した後、いよいよ倉田保昭が虎と戦う。
『けんか空手シリーズ』の牛や着ぐるみグマと違い、割とガッツリ絡む。

ストーリーから何から破綻しまくりのオフザケ映画だが、相変わらず殺陣は凄い。
もともとカラテ映画にストーリーなんて求める奴は人類にいないだろうし、そういう意味では客の需要を十二分に満たした、いかにも山口和彦らしい充実した内容と言えるだろう。
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