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ファンタジアのhoshikazukanjoのレビュー・感想・評価

ファンタジア(1940年製作の映画)
4.5
2021/4/5

私もクラシック音楽を聴くときは情景を思い浮かべるのだけど、そういう聴き方をするようになったのは『ファンタジア』の影響もあるかもしれない。まさか映画館で見れる日が来るとは思ってもみなかったので大変感動している。月曜なのにこんなに幸せな気持ちになれるとは。まるで夢のような時間。観賞後、あまりの浮遊感に帰り道分からなくなってしまったわ(本当にあった怖い話)

『ファンタジア』全体を通して印象的なのは光の表現。パステルカラーが綺麗な色とりどりの光がどの楽曲にもある。今のディズニーはとにかく写実にこだわっているけど、やはり人の手で描かれた感触がはっきりと残るこの時の手描きアニメこそ夢。大きなスクリーンに広がるこの輝きそれだけで釘付けになる。
のちに世界のパークで「魔法使いの弟子」をベースにしたショー『ファンタズミック!』がつくられるが、私は舞浜版をはじめて見たときその光に深く深く感動した。それほもう人生が変わってしまうほどに。映画館で観る『ファンタジア』もその時と同じ感動がある。

「トッカータとフーガ」は絶対音楽ということで最も抽象的だけど、文字通り音をそのまま映像化している。ヴァイオリンの弓の動きにあわせて線が動くし、駒と弦みたいなものが動いている。まさに音楽と映像の融合。冒頭は楽団を光と影のみにするのも”映画”らしい表現。

サウンドトラック君は、これぞまさにディズニーの真骨頂。ただの一本の線なのに、あんなに愛らしい表情つけられるの凄すぎる。楽器によって波形がギザギザだったりふにゃふにゃだったり。

「魔法使いの弟子」はもうこの映像のために作られた曲なのではと勘違いしてしまうほど見事なハマり具合ほんと恐ろしいですわ。

音楽ありきのアニメ作品だけど、こうも映像の力が強いと音楽に集中できないのはあるな…。
音楽だけ集中聴いているときは後ろの方の音も拾おうとするけど、映像あるとそれがなかなか出来ない。



「時の踊り」はワニ嫌いになりそうな内容。カバちゃんは私が守る。
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