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パーフェクトブルーのdendohのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

今敏の監督デビュー作でありながら、妄想と現実が混濁した世界観が既に完成されている。
ジャンルがサイコサスペンスなので、他の今敏作品と同じ感じで見始めると、暴力描写とエロ描写が多くて驚愕する。私はパプリカと妄想代理人は視聴済みだったが、想像以上にバイオレンスで驚愕した。なお原作はもっとエログロサスペンス寄りだったらしいが、今監督本人の希望で大幅に脚本を変えたらしい。

本来は未麻の妄想の存在だったバーチャル未麻が現実に侵食していくわけだが、種明かしをすれば簡単で、作中に登場するバーチャル未麻は次のいずれかに当てはまるわけだ。①未麻の脳内描写 ②ルミの変装 ③ストーカー男(内田)の脳内描写 
あとから整理すると分かりやすいのだが、観てる間、最終局面に入るまでは何が何だか分からなかった。
本作のストーリーが劇中劇と結びつき、胡蝶の夢のような、劇中劇こそが現実?みたいな不安さが常につきまとう。今監督らしい展開で、脳内にドーパミンが滅茶苦茶出るのを感じた。

繰り返しになるが、エロとバイオレンスを伴う故に、デビューでありながら、今敏作品としてはハードルがちょい高め。もともとOVAとして作ってたらしいのでしょうがないのだけど。いずれにせよ、名作なのは変わらず。
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