たけ

パーフェクトブルーのたけのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
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ずっと気になっていた1998年公開のアニメ映画。動画配信サービスで鑑賞予定でしたが、リバイバル上映中ということもあり映画館で観ることにしました。平日の夜にも関わらず座席の半分近くが埋まっているという異例の状況。一体どんな作品なのか?

これは夢か現実か。幻覚なのか妄想なのか?中盤辺りからそれが分からなくなる難解映画。わけが分からないのに、なぜかこの独特な作風・世界観にグイグイ引き込まれてしまいました。いろんな考察をされる方もいらっしゃいますが、物語を解釈するというよりも、虚構か現実か区別がつかない、この不思議な感覚を楽しむ映画のような気がします。

ジェットコースターのようなストーリー展開や独特な世界観もそうですが、何よりも未麻というキャラクターがとても魅力的だったのもこの作品に引き込まれた大きな要因です。声優の岩男潤子さんも、すごく良かった。

大袈裟かもしれませんが、"今こうしてこの映画を観ている自分は果たして本当に実在するのか?"という不思議な感覚に陥ってしまいます。ちょっとした非現実を楽しむ映画館という場所。この空間で観る本作には特別感があり、とても贅沢な時間でした。

何度も繰り返し観たくなる中毒性がある作品でしたが、この感覚は僕が大好きな「レクイエム・フォー・ドリーム」という映画でも過去に同じ体験をしています。公開当時、短期間に何十回も繰り返し観た中毒性の高い作品。その時の感覚とよく似ているなーと思ったら、なんとダーレン・アロノフスキー監督はこの「パーフェクトブルー」からインスピレーションを受けていたそうです。直感的に今作と同じものを感じたわけですが、実際に繋がりがあったと知り、鳥肌が立ちました。
ジェニファー・コネリーのバスルームのシーンは特に印象的でしたが、あのシーンがそっくりそのまま「パーフェクトブルー」のオマージュだったとは・・・。本当に驚きました。

これは僕が過去に見たアニメ映画の中ではダントツで一番好きな作品になりました。まだまだ何度も繰り返し観たいので、ブルーレイを購入しようと思います。
こういう作品との出会いがあるから映画はやめられない。一生のうちにあと何作品"マイベスト"と言える映画に出会えるのか。とても楽しみです。
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