reina

パーフェクトブルーのreinaのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.9
アイデンティティクライシス、
本物の私って?

家にいる私、学校にいる私、会社にいる私、友人といる私、どの自分も微妙に異なる。その場所に合った期待されたそれぞれの自分をある意味"演じる"

しかし、それぞれの自分がどんどん離れていき自分を見失ってしまう。自分が自分で分からない。「あんな事言っちゃうなんて自分らしくないのに」"自分らしさ"って...?

あの自分もこの自分も全て継ぎ接ぎにしたのが自分なのか?フランケンシュタインの怪物みたい。昨日の自分、"今"の自分、1秒後の自分は同じ人物といえるのか?記憶というデータが引き継がれていれば同じ人間なのか?人体の細胞は数年で入れ替わる。

自己のアイデンティティの危機をリアルに描写した作品だが、ラスト10分のエンドがグチャッと駆け足でまとめたように見えてやや落胆してしまった。

みんな自分自身が"誰"なのか分かっているのか疑問に思う。なぜなら私は本物の自分がどれか分からない。本物の私って誰?鏡を見ても誰も何も映らない。
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