A8

パーフェクトブルーのA8のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.8
一人の女性に起こる怒涛の悲劇、、
心というものがいかに強い力を持ち、
強いエネルギーで“人間”を支配するものなのか、、
それは運命をも変え、他人までを巻き込んでしまう。
もはや、人間の外見とは単純に言ってパッケージに過ぎないとさえ思うほど。
それくらい“心”が引き起こすこの作品の結末に衝撃を受けた。
それと同時にあまりにもショッキングな描写(人の惨殺死体や人の表情、、→あれだけ人の生きている中で訪れる心的な生と死を豊かに描けるのは驚き)は躊躇することなくリアルを呼び起こし、強烈な印象とともにこの作品の魅力を引き出した。
そして、結末はそのリアルを尊重したまま
こんなのあり得ないじゃん、、とかじゃなくてしっかり現実味を帯びているのがさらに怖いというか、衝撃的だった。
「私が本当のミマだよ」
この言葉がオチというのがさらによかった

主人公はアイドルとして活動していたが、
事務所の方針により
アイドル卒業→女優へ転身
となった。
本人は強いアイドルへの気持ちがあったにも関わらず
事務所や芸能界の勢いに逆らえず
自分を納得させながらその決定を受け入れた

しかし、仕事のハードルが上がっていく、、
ヌードや激しく抵抗あるようなシーンの依頼
次第に自分の心が追いつかなくなってしまう。
そして同時に、彼女のことを面倒見てきたルミというマネージャーは
まるで自分のことのように彼女を気にかけてくれるのだが、、、


途中、主人公が出演するドラマの内容と
現実世界が交錯していき
ミマ(主人公)はどっちの世界を生きているのかわからなくなってしまう。
それは過度なファンからのストーカーや脅迫文(なぜアイドルをやめたんだ‼︎など)
や本来の自分と今やっている仕事とのギャップなど心の軋轢が彼女の不安定な姿を映し出していく。
→ドラマと現実がリンクするような内容で、
実際、作品を観ている私たちもミマ同様
これは現実なのかそれとも幻なのかわからなくなるという演出は圧巻だった。

そして、最初の方にマネージャーが道半ばで諦めた元アイドルというのがイイ伏線になっているということも痺れる。

派手なんだけどリアル、、
この二つが重なったらそれはそれは
素晴らしい作品になることに違いない。
実際そう👍
A8

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