福井康之

パーフェクトブルーの福井康之のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.2
アイドルから女優へと転向するため、アイドルグループ「チャム」を脱退することを発表した霧越未麻

「あなた、誰なの?」

初めは出番の少なかった未麻だが、マネージャーの反対も押し切って受けたレイプシーンやヌードグラビアなどの仕事で彼女は着実に売れつつあったのだが、同時に未麻の周辺で不穏な殺人事件が起こり始める

「それじゃあ、殺人鬼は彼女が作り出した幻影なんですか?」

僕がこの手の話が大好きになったきっかけは30年前の1989年、岡嶋二人さんが発表した"クラインの壺"ていうバーチャルリアリティを題材にした現実と仮想現実が交錯するSFミステリー小説を読んでからでした。

「カット!未麻ちゃん、どうしたの?」

今敏さんの作品は一貫して"現実と虚構の交錯"をテーマにしてあって、それがアニメであるにも関わらずめちゃくちゃ怖い。この作品でも現実とドラマと幻覚とが巧みに入り混じってて凄い…なにより製作された1998年という当時に観たときの怖さは半端なかった。

「私は本物だよ。」
福井康之

福井康之