とむ

パーフェクトブルーのとむのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

俺が求めてた「ブラック・スワン」はこういう話だった。


アニメーションとは思えない程スリリングな生々しさに声を上げてしまうシーンも多々。
「どうして日本でサイコスリラーをやるとこうなっちゃうかねえ」という劇中の台詞も相まって、作品自体が日本のスリラーに対する痛烈な皮肉に感じた。

劇中劇的描写が混乱を招き、まさにサスペンス作品のあるべき姿を成している。
ルミちゃんのアイドル衣装で着飾った姿も恐ろしかった。
ただのサイコスリラーでなく、アニメーションでしかできない描写でこちらをドキッとさせるのだから、流石今敏である。


犯人が執拗に目を狙っていたのは、
未麻にレイプシーンのあるシナリオを書いた脚本家や、ヘアヌードの仕事をさせるカメラマン、そして事務所社長の「見る目の無さ」を責めているように思えた。
見る目のない目なら無くしてしまえ、みたいな。


精神病院から出てきた未麻の微笑みが不気味に見えたのは多分気のせいではないのだろう。
何を意味しているのかは定かではないが、もしかするとあの未麻は、ルミに取り憑いていた「みまりん」なのかもしれない。


ミスリードさせるキモヲタの声が案外爽やかで笑った。
とむ

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