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トムボーイのbennoのレビュー・感想・評価

トムボーイ(2011年製作の映画)
4.6
その子を観た瞬間…作品の虜です…。

« Je m’appelle Michael. »
      (僕はミカエルです)

透明感のある瑞々しさ…でもどこか陰のある魅力的な子…リヴァー・フェニックスによく似ています…。

家族と共に新しい家に引っ越して来た10歳のミカエル(ゾエ・エラン)…でも何故か家族からはロールと呼ばれています…。

程なく、事実はわかります…原題『Tomboy』からも…その子は"男の子っぽい女の子"…。

  少年みたいな少女ロール…
少女の面影のある少年ミカエル…

明確にトランスジェンダーであるという表現はされません…。

思春期手前の時…男の子にも女の子的な一面があり、その逆も然りで…それらの境界線が混濁したこの時期の特性のように思えます…優しい父親の前で指を咥え赤ちゃん返りするシーンも象徴的です…。

この多感な時期のアイデンティティを巡る模索と挫折の成長を柔らかな色彩と風景の中で繊細に映し出します…。

シアマの映し出す森は子供たちのサンクチュアリ…夏の眩しさ…森の爽やかな香り…キラキラ暖かい木漏れ日を浴びて子供たちが汗だくで走ります…。

そして近所に住むリザと親しくなり…ふたりはキス…。リザはミカエルを本当の男の子と信じ、好きになってしまいます…。

また、今作ロール/ミカエルをも凌ぐ愛おしいキャラ…なんて艶っぽい6歳の妹ジャンヌ…幼い少女の中に見え隠れするTheオンナ…姉妹が遊ぶ様子はとても微笑ましい…いつもお姉ちゃんに寄り添います…。



  〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜






遂に男の子ミカエルが女の子だったという事実が明らかになります…。優しい父親とは対照的に母親はミカエルにワンピースを着せ友達の家へ説明に回ります。

真実を知ったリザはミカエルを拒絶…彼女も深く傷つきます…。


ある日ミカエルは家の前に佇むリザを見つけ…駆け寄ります。

するとリザは尋ねます…。

« Comment tu t’appelles? » (君の名前は?)

ミカエルは… « Je m’appelle Laure. »
(私はロールよ)

ふたりはロールとリザとして再び出会い直したのです…素敵な親友になれることを願って……ෆ*


因みに…あのとっても優しい理想的な父親を演じたマチュー・ドゥミ…ジャック・ドゥミとアニエル・ヴァルダの息子さんでしたꙨꙻꙨꙻ✧*



thanks to ; のんchanさ〰︎ん⁎ ˚ 𓂃 𓂂𓏸

thanks to ; JTK 師匠⁎ ˚ 𓂃 𓂂𓏸

        (おススメ頂いた順ですෆ*)
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