途中までご両親は主人公ミカエルのジェンダーのゆらぎに理解があると思っていたのだけど、実際はそうではなく⋯母親はミカエルが嫌がっているのにワンピースを着させたり、引っ越し先の同年代の子達にアウティングしたり⋯
ミカエル自身のジェンダーのゆらぎは丁寧に描かれていると思うが、その一方で「“本当”の男じゃないから」と母親から叱責され、同年代の子達に性的暴行を受けたミカエルのこの先の人生とか痛みはあまり深く描かれていないと思った。これだけ悲惨なことが起こった子どもに「外で遊ばないの?」と質問する母親に、わたしは怒り心頭でした。