ほおづき

つぐないのほおづきのレビュー・感想・評価

つぐない(2007年製作の映画)
3.5
つ ぐ な っ て な い


びっくりした。
ぜんぜんつぐなえてなくって・・・

設定がすごくおもしろそうで、タイプライターをモチーフにした音楽、演出、映像の美しさで、序盤からかなり期待値高まってたからちょっとショック・・・


結局つぐない的な告白をするんだけど、いろいろ言い訳がましいうえに、なんだかんだ小説家として成功して悠々自適に結構な年齢になるまでのうのうと生き続けたわけで、なんのつぐないも果たしてない。
そもそも、まだ幼さも残る13歳の少女で恋心が邪魔をしていたかもしれないけど、心情を読み取れなかったのは小説家として大丈夫なのかw
妄想と欲望を書き綴るだけならそれは同人作家だよw

つぐなってないからダメシナリオと言いたいわけじゃなく、演出のバランスや描かなくては行けなかった描写が足りなかったんじゃないかと言いたい。
そもそも序盤の主人公に好感が持てないのは物語として致命的。その挙句にかろうじて見た目と服装のかわいさだけはあった少女時代とはかけ離れた成長期の主人公のかわいくなさが、より一層好感度を下げてしまってる。

さらに、何か薬を服用する描写はあったとはいえ、晩年は後悔と心労で瘦せ細り睡眠障害か薬漬けの日々になっていたくらいの方が罪の重さに苦しんだ感が出たんじゃないかと思う。

あと、突然のホラー映画並みのグロで長~い戦争描写は必要だったのか謎・・・?
あの無駄なグロシーンを入れるくらいなら、監獄で男性側がどれほど辛い目をみてきたのかっていうのシーンを入れたほうがよかったと思う。


序盤は凄いわくわくしたし設定と本筋は凄く良かったのに、罪を犯した者たちがなんの罰も受けずに終わるモヤモヤ感・・・
もう少しカタルシスを感じさせてくれればいいのにって凄くもったいなさを感じてしまった。
たぶん、ラストの独白いらなかった。。。
あんなひとりよがりの自己満足の創作なら結局最後まで同人作家のままだ・・・

もしかしたら原作ではきちんと描かれているのかもしれないなぁ・・・