私には全く理解できないジェーンオースティンの映画（間違い）だと思い込んで再生ボタンを押さなかった作品
脚本が「ファーザー」の人なのねぇ
元の小説がいいんだろうけども、人間の脳っていうのは信用出来ないぞっていう映画を作る人で、好きだなぁ
冒頭から想像していたものとまったく違っていて引き込まれた。
音楽も映像もいい。
そして、ジェームズ・マカヴォイが私が惚れた「ペネロピ」のときの彼で、ものすごくいい。
若いときはこういう映画、わかんなかったような気もする。
自分はアスペ気味なので、なぜ本当のことを言わないのか となってしまっていたので。
ファーザー、ホースガールなどの映画を見て、こんなになるのかぁと想像していたところに、妄想性障害の人と関わって、「脳が嘘をつく」とか「本当のことにこだわらず流す」必要性とかわかってきて、
人間ってのは嘘をつく（故意じゃないことも）ってわかった。
いままでの人生、全然他人に興味がなかったんだ。これからも他の人と比べて、そういう傾向だと思うけど、こういう視点で見ると、人間って面白いって思うかもしれない。私の場合。
ちょっと前までは IロボットのVIKIのように、「人間に任せられない。機械がやってやるよ」って思ってた。間違いを起こすところが人間は面白いんだな。
ネタバレ↓
ブライオニーは嘘をついたわけじゃなく、彼女の脳に騙されたのかなーと
最初にブライオニーの視点でロビーとセシリアの映像を見せて、その後に事実を見せてくれた。１３歳の彼女には本棚に張り付かされているセシリアの絵は、殺されているって思ったんじゃないかっていう映像表現だった。
でも、その後、セシリアの求めに対しても撤回しなかったのは、嫉妬もあったのか、または、ブライオニーが人を人とも思ってない感じの冷たい心の持ち主だったのかなぁと。（１７−８になって人の心ができてきた）
ブライオニーの冷たさってのは 母親がアナウンサーと失踪した子どもたちの前でそれを題材にした戯曲を読み始めてしまうところとか、節々に現れてた。
あそこであれがなかったら は 「ロビーが間違えて封筒にいれなければ」、「ロビーが自分で渡す決心をすれば手紙は間違えたと気づいて入れ直してた→そしたらセシリアは自分の気持ちに気づかないまま」、「図書室のとき、ちゃんと説明していれば」、「双子が失踪しなければ」、、
など
ブライオニーがやらかした大きな過ち 以外にもこの結末に進まない要素はいっぱいあって。
タイムマシン映画は見るのは好きだけど、バタフライエフェクトで 遠くの何かがちょっと違っただけで、結末は変わる。
うまくいえないけど、起こったことは起こったこととして、次の手を考えるべきで
Everything happens for a reason っていう 海外のツイッター友達に言われた言葉を思い出した。子供にパーマネントの傷をつけてしまったときに嘆いていたら言われて、すっと入ってきた言葉
今回の悲劇に関しては その代償は「死」であり取り返しがつかないのでこの言葉では済ませられないって 娘に言われたんだけど
うーん、文章にしてみると、話が宇宙衛星くらいまで飛んじゃってる。
なんというか、そういう人生について、人生の出来事について 考えた
１００インチスクリーンで一人で鑑賞 残り５分で娘が帰ってきたので 勧めて再度再生（娘は結末を知って見るかたち）。
戦争シーンは長すぎだなぁって思った分だけマイナスしたけど、価値のある映画だった。大画面で見る価値もあった
うまくまとめられないので 箇条書き
◯セシリアがあの手紙をもらってロビーへの恋心に気づくところ、ああ、そういうもんかもしれない、って思った。まったく関心がない人には普通にできるところを、気持ちがあるから気に触ったりする、そういうの
◯ジェームズ・マカヴォイの演技力に感心しながら見てた。そして彼は多重人格で獣も演じてしまう、眉間にシワがよったままの俳優になってしまったな、、）
◯シャーノンの右頬にあんなほくろあったっけーー？って思ってたら、３人の俳優が演じるブライオニーをわかりやすくするためね！
◯ちょっと頭が足りないダニーに対する態度 みんなひどい感じで金持ちはこうだよね、っていう表現もありで、
◯カンパーバッチ演じるチョコレート王は 戦争でガッポガッポ儲かる側でそういうところも描いてた
◯ロビーが敗血症で脳みその分泌物質がおかしくなったのか、統合失調症みたいになったときに、部下が「ここだよ」って優しい嘘つくの、個人的によかった。（部下のブーツを拾って上げたりするシーンも描いてたのでキヅナの深さもわかってた）
◯優秀な人は刑務所出ても、その小隊のトップになるんだなー
◯虐殺された少女の一人がまぶたの下で眼球動いちゃってた。惜しい！
◯海岸のカットなし撮影もなにげにすごかった
◯図書館のセックスシーン、よかった
◯チョコレート王の結婚で犯人の顔が見えた記憶が描かれるが、あれも、信用できないと思った。でも、あそこはチョコレート王に決めたほうが話は面白いかな。チョコレート王は会社捨てて自首できないし。そうすると、上流社会の「メイドの息子ならいいよね」っていう思考も描かれる
