うん。やはり構成が完璧。これで3度目だが忘れた頃になぜか観たくなる。赦しと贖い。この上無いラブストーリー。
次第に惹かれ合い愛し合う姉と男。小説家を夢見る多感な妹は大人の愛というものを目撃し、穢らわしさを感じてしまう。膨れ上がるよからぬ妄想。自分も想いを寄せていた男性だったからこそ、重なる嫉妬と悪意。小さな勘違いからついた一生かけても償い切れない大きな嘘はふたりを引き裂き、二人の運命と、自分の運命をも変えてしまう。
文芸作品のため一見退屈そうに感じるかもしれないが、妹ブライオニーのシンボルにあたるタイプライターの「カタカタカタ…」という音が物語に緩急を付けてリズミカルに事を運ぶ。
そして再鑑賞してかなりの壮大な物語だということ気付かされる。戦場での絶望というものが痛いほど伝わってくるワンカット長回し撮影は圧巻の一言。
主観を変えて3人それぞれの目線で描く演出には、いかに人の想いがすれ違っているのか、分かり合えることが難しいのかを思い知らされる。
2019/2/28 4回目ーーーーー