クラシカルな純文学作品との親和性の高いキーラ・ナイトレイ主演。『プライドと偏見』のジョー・ライト監督作品で、戦前戦後を舞台としたラブ・ストーリー。（2007年）
表面的には、気品高いお嬢様育ちのキーラ・ナイトレイと、使用人の息子との純愛物語のように進んでいくが、実際の映画は大きく二部構成になっていて、後半は、まさにタイトルにもなっている『ATONEMENT ：つぐない』というテーマに導く小説仕立てになっている。
部分的に時間を巻き戻すような描写が盛り込まれていて、まさにこれが小説仕立てと感じさせる部分でもある。
主人公の妹（13歳）がついた嘘と戦争が、その後の主人公の恋に大きく影響するのだが、ここまでは割りとありがちなお話に感じるのに、最後の最後で、物語の色を大きく変えてみせるところは、なかなかの構成。
『プライドと偏見』そして『つぐない』と二本続けて観ると、監督ジョー・ライトの世界が堪能できるはず。
忘備録：大切な人への手紙は、誰かにたくすものではない。（笑）
