歩葉戸路素

ブレージングサドルの歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

ブレージングサドル(1974年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

西部劇のドタバタパロディ映画

海外では超有名らしくコメディ映画ベスト10とかでよく上がっている作品
私がシンガポール旅行で飛行機の隣で知り合ったアメリカ人がこの映画を大好きだと言っていたのを覚えていて
だいぶ経ってから鑑賞

本当コッテコテのアメリカンギャグで笑った
西部劇あるあるの台詞を言った主人公に『何言ってんだ?コイツ…』みたいな態度をする脇役、みたいなノリが続く
ツッコミの無いギャグがお馴染みのアメリカンジョークっぽくて好き
(リックアンドモーティで訓練された)

主人公は何と黒人!!
西部劇なのに黒人主人公はすげぇ!って…
今の中学生は思わないよね…
タランティーノのジャンゴが有名だから
でも70年代で黒人西部劇ってのは凄く斬新だったと思う
(マカロニウエスタンの『boot hill』って映画が黒人西部劇の起源だとは思うが)

この映画の一番の見どころは奴隷解放宣言後の偏見まみれの人種差別ギャグだった
奴隷解放されたのに奴隷のように働かされてる黒人という序盤からもう酷いのだが
白人一般市民が馬鹿ばっかりで度が過ぎた黒人への偏見が最高にバカバカしくで好き
途中悪そうなインディアンが出てくるが「我々より肌が濃いから見逃してやる」というブラックジョークは笑えた
主人公を味方するのは犯罪者のモンゴと無法者のキッドだけ
ならず者が比較的まともだという皮肉な話
(最後は町の白人も味方につけるけど)

ラスト、町の住民を蹂躙した悪人は逃げまくり…
なんと『映画世界の外』への逃亡を企てる!というメタ展開
映画館から脱出するも結局現代まで追いかけた主人公に倒される超展開へ…!
(この展開、映画見てない人には意味不明だと思う)
ラストの西部劇世界に現代の車が登場する展開は『モンティパイソンのホーリーグレイル』を思い出したが
実はこの映画の方が前だった…!
変わった西部劇が好きな方に激推し!
歩葉戸路素

歩葉戸路素