樋口一葉の3つの短編集。明治に生きる女性の葛藤。
テーマは男女のすれ違い、DV、モラハラ、パワハラ、格差社会と明治も令和も頭を悩ませるタネは変わらないなと。
章ごとにヒートアップしていく印象で、真ん中の章で久我美子の出来心にハラハラしてホッとしたのも束の間
最終章の杉村春子の可哀想な感じと言ったら!
山村聰と女郎の淡島千景の艶っぽい二人に、指をくわえて見てる惨めな宮口精二とその妻の杉村春子のドン底感が秀逸。
好き放題やって出て行けはないだろう〜宮口精二よ。
惨めったらしく女郎の周辺をうろつく男に何故か惹かれてしまうのは、そんな要素がどんな人間にもあるからかもしれない。