アキラナウェイ

ペーパー・ムーンのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)
5.0
【恥ずかしながら初めて観ます名作シリーズ】
第21弾!

ロードムービーの最高峰とのおススメを受けての鑑賞。

でもモノクロだしなぁ…と及び腰だったものの、冒頭に映し出される少女のしかめ面に一気に心が奪われる!!

な ん だ こ の コ は ! ?

大人びた言動
ハスキーボイス
煙草を燻らせるその姿

弱冠9歳の若さにして、圧倒的な存在感を放つテイタム・オニール!彼女が演じるアディの魅力がスクリーンに満ち溢れている!

そして、もう1人の主役、モーゼを演じるライアン・オニールとは実の親子という事実!!

お陰で全てのショットが微笑ましい訳だわ!!
ピーター・ボグダノヴィッチ監督よ…。
この親子を主演に据えた時点で、映画界の奇跡ですよこれは。

人を騙して聖書を売りつける詐欺師のモーゼは、交通事故で亡くなった元恋人の娘アディをミズーリ州の叔母の所まで送り届ける羽目に。アディを厄介者と煙たがっていたモーゼだが、アディは大人顔負けに頭の回転が速く、モーゼの相棒として次々と詐欺を成功させ、2人は旅を続ける。

詐欺行為は勿論誉められたもんじゃないが、何せ2人の掛け合いが面白い。

途中、同伴するデカパイ・トリクシー(マデリーン・カーン)もいいキャラだし、ドタバタ喜劇として楽しめる。

1973年の作品だが、大恐慌時代の30年代の空気感を出す為に敢えてモノクロで撮影された本作。しかし、オニール親子の絶妙な呼吸で繰り広げられる掛け合いが、不思議と映画を色鮮やかに彩る。

紙の月
それは本物ではないけれど
あなたといれば、本物の月にもなり得る

実の親子が演じる、
実の親子かも知れないし、
赤の他人かも知れないオトナとコドモ。

嗚呼、これは大好きだ!!

きっとこれは誰かに勧めたくなる不朽の名作。
きっと誰もがアディを好きになる!!