ヴぇる

フィラデルフィアのヴぇるのレビュー・感想・評価

フィラデルフィア(1993年製作の映画)
3.5
トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンの共演でありダブル主演となっている。
また、興行収入的は制作費に対し10倍近く叩き出しておりそれだけ当時の社会問題として大きな問題だったことが伺える。

当時のエイズ問題が元になり、さらに性差別も絡み出してくる社会派作品である。
今でこそLGBTQに関しては寛容な国アメリカになっていたが変革期においては非常に冷遇されていたのは今作でヒシヒシと伝わる。ある意味時代の変化を映し出した資料映像とも言える。
非常に丁寧に作り込まれており、120分以上の時間を飽きることなく最後までこの問題の行く末をいつまでも見届けたくなる程だ。

アカデミー賞ではトム・ハンクスが主演賞に輝いており、その要因は病人を演じ死に至るまでの過酷な減量も加味されているだろう。月日が経つにつれ痩せていく彼は本当に驚きだった。

主演の2人は若くフレッシュだが晩年の味があるか?と問われればそこまでではない。しかしやはり画面映えはするし、何より圧倒感はある。

総評としては、当時の社会問題にフォーカスをキチっと合わせており、問題点もまずまず抑えている上に映画的な要素も抑えていた良作と言えるだろう。
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