もーりー

イキガミのもーりーのレビュー・感想・評価

イキガミ(2008年製作の映画)
2.0
余命宣告をされた人々のオムニバス形式のストーリーとして観ると悪くはないが…これは原作にも原因はあるが、そもそもストーリーの軸となる「国家繁栄維持法」なる法律の設定がめちゃくちゃなんだよなぁ…こんな法律で人生に目的を持って生きるようになるとは到底思えないし、この法律のおかげで犯罪件数や自殺者数も減りGDPも上がった。みたいな説明があるが、自分にカプセルが埋め込まれているかも分からない人が犯罪や自殺はやめよう!と思うわけもないし、若者をランダムに殺しているわけだからGDPはむしろ下がるだろうし。大半の人はこんなふざけた法律のある国には住めるか!って海外に移住するだろうし、結婚したり子供を作ろうとは誰も思わなくなるよね?国家として成立しなくなる。原作のマンガには一応最後の方に国家繁栄維持法の正体みたいなのが描かれているのでまだマシだが、それをなくしてしまった映画の方は単なる「荒唐無稽で無意味な法律に振り回される国民の物語」になってしまっている。イキガミという発想はおもしろそうなのに、全ての設定が薄っぺらくて台無しにしている。死をテーマに書くなら、設定もちゃんとしてほしい
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