胸が痛くなるような感動を与えてくれるような作品とはなかなか出会えないものですが、この作品はまさしくそれです。ジョニー・デップやレオナルド・ディカプリオをはじめ、出演者全員好演。
名手、スヴェン・ニクヴィストのカメラも感動を盛り上げてくれます。
照れくささを捨てて言い切るとすれば、この作品は本当の「家族の愛」を描いた傑作といえると思います。
主要人物に悪人が登場しないのも上質の人情ドラマの条件であると私は思うのですが(周囲の人間で、一部ギルバートの家族に好奇の視線を向けたりする人物は登場するが)この作品はまさしくそれだと思います。
最初にも述べたように、胸を締め付けられるような感動が湧き上がり、最後まで気分良く観られます。
全てをリセットするために家が炎上するシーンは、撮影の見事さとあいまって、かの名作「風と共に去りぬ」のそれとダブります。
有名な作品で、ファンの方も多いと思いますが、まだ未見の方がおられたらぜひ御覧下さい。
因みに原題は「何がギルバート・グレイプをいらだたせるのか」です。