アナ

ギルバート・グレイプのアナのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.2
ジョニーデップの哀しげな眼と、ディカプリオの無垢で幸福な笑顔が印象的。

なにが正解なのかわからないし、なにも正解なんてないのかもしれない。家庭は、温かくあるが時には闇でもあったりする。劇的な喜劇さも悲劇さも持たせず、淡々と描いていて。周りからみたら風変わりな家族でも、かけがえのない愛すべき存在。どうしようもない状況から抜け出せないでいるのは、そこのみにて光り輝くを思い出した。
ギルバードの、鬱屈と諦観の中にある行き場のないフラストレーションはやるせなかったけど、アーニーに対して、お前をいじめるやつはお兄ちゃんが守ってやるからと話す場面がたまらなくかっこよかった。

愛情と解放がテーマに感じたな。
通り過ぎるのを眺めるに過ぎなかったトレーラーから始まる演出と、それに回帰するエンディングも素敵。

アーニーのおもちゃやベッキーの服、食器など、荒涼とした画面に時折鮮やかな色彩が入っているのが、ギルバートの見えている世界を表現しているようにも感じた。

静かだったけど愛に溢れている。随分泣きました。

心に残る映画。
アナ

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