思ってた以上に感情移入できなかったのが口惜しかったが、爽やかな青春映画の裏で根を張る家族へのコンプレックス。解放と旅立ちを示唆する映画の終わり方は、胸が締め付けられた。
閉塞感漂う家族の中で、父親のような役割を担うギルバートはどこにも行けない。家族を捨てることなんて出来やしない。自分の願望全てを押さえつけることを見て見ぬ振りするギルバートが出会ったのがトレーラーで祖母と旅をし続けるベッキー。人って自分の持っていないものを持っている真反対の人間に惹かれるよね。ギルバートにとってはこのベッキーがまさしくその存在。あっという間に中を深めていくが、やはりその中で知的障害者の弟アーニーやママという留め具がギルバートを離してはくれない。
アーニーを演じたレオナルド・ディカプリオの演技力といったらもう。レインマンでのダスティン・ホフマンといい、レオナルド・ディカプリオといい、俳優陣のこういった特殊な演技にはいつも舌を巻かれる。
特徴をよく捉えており、観ていて自然とそういった障害を抱えているかの如く錯覚してしまう。
期待をあげすぎていた分、あっさりと終わってしまったイメージだった。それでも名作と謳われるだけあることは頷ける。
終始和やかに見えて、ギルバートが抱える悩みからの解放と再生を描いた作品。
若き日のレオナルド・ディカプリオとジョニーデップの共演とだけでも見る価値はあるかと。
