ソウル調のスコアを開幕早々二分以上聴かされ、その間、画面はずっと砂漠で、何故こんな砂漠ばかり見せられるのかと思い始めるころ、突如、ジープに乗ったピーター・フォンダが現れて、不衛生な髭を画面いっぱいに押し付けてくる。結局彼は、この映画の間、一度も髭を剃ることはない。
ラストのヘリコプターを、如何にも希望の象徴のように描いているのが、70年代らしくて、良い(このころの映画で最後にヘリかボートが出てきたら、主役たちは逃げ切れるとみていい)。
頭皮をむきだしにしたボスの最終判断も、味がある。何故この局面にきて、急に「地球は狭い」などと言い出したのか定かではないが、この人の、らしくない心変わりが、何となく嬉しかったものである。