長年、山岳地域に郵便配達をしていた郵便配達員が年を取り仕事の引退を決めた。
跡を継ぐ息子と最後の郵便配達に向かう。
徒歩で山を進み、川を渡り、崖を登る。
そんな過酷な仕事をし、村人たちに心から慕われる父親を初めて知った息子の心情がとても伝わる。
父親を「あんた」と呼ぶ息子。
しかし二人の配達の旅で「あんた」じゃなくなっていく。
ありがちなシーンかもだけど、凄く凄く良かった。
仕事で幼い頃からあまり息子と触れ合えなかった父親が息子との最後の配達をし、幼い時期の息子を思い出し逞しく育った彼を嬉しそうにみつめる姿。
配達員として孤独で目の悪いお婆さんに孫からの手紙を読み伝える父親。
ゆっくり丁寧に読み上げる。
私はこのシーンで中国語の美しさを感じた。
この手紙には秘密があるのだが…。
父親と母親のなれそめや、若い頃のシーンもとても良い。
山々や村の景色の美しさ、村人たちの素朴な笑顔。
どれを取っても良かった。
郵便配達の手伝いをするワンコも良かった。
なぜか名前が「次男坊」
なぜだろう。
とても良い映画だった。
霍建起監督作品