やむちゃ

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーのやむちゃのレビュー・感想・評価

4.1
備忘録
1989.1に鑑賞。

レスリー・チャン、ジョイ・ウォン主演、チン・シウトン監督のファンタジーホラー。

若き書生ツァイサン(レスリー・チャン)と幽霊シウシン(ジョイ・ウォン)の叶わぬ恋を描いた作品。

剣戟からカンフー→コメディ→カンフーコメディ→ノワールと、それまでにも何度か大きな転換期があった香港映画界で、今作も大きく流れを変えた作品だと思う。

製作のツイ・ハークのカラーも色濃く、SFXも多用され、それがホラー要素とうまく融合している。
ラスト近くの干からびたゾンビの動きは、「死霊のはらわた」チックだった。

また霊幻道士などでも使われていたワイヤーワークが、今作でも大変効果的に使われており、霧が立ち込める闇夜に、シウシンが白い着物をなびかせて優雅に飛ぶシーンはため息が出るような美しさだった。

今作で磨かれたワイヤーワーク技術は、その後スウォーズマンシリーズで一斉を風靡(香港でだけれど)し、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズを経て、マトリックス、チャーリーズ・エンジェルでハリウッドを席巻する。
今ではハリウッドのみならず、インドなど他の国の映画でも当たり前に使われる技術になっている。

繊細な書生ツァイサン役のレスリー・チャンも良いが、なんといってもシウシン役のジョイ・ウォンが素晴らしかった。
儚さを感じさせる表情や仕草が、朝を迎えて消えてしまうラストの悲しさを際立たせる(現実の彼女はかなり気が強かったらしいがw)。
香港で一緒に写真を撮ってもらったのは良い思い出。

主にアクションパートを受け持つウー・マ演じるイン道士も印象的なキャラ。ラップのような曲を唄いながら踊るシーンが強烈だった。

悲恋のラブ・ストーリー、ホラー、コメディ、ワイヤーワークがうまく融合した作品。
レーザディスクを買って何回も見た。
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