げんきげんきばいばい

レイジング・ブルのげんきげんきばいばいのレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
4.7
序盤で描かれるデニーロ扮するボクサーがストイックに試合にむけて全神経を研ぎ澄ませているのが、彼の演技からわかる。
まあ、わかるのは当たり前だけど、見ているとそれがどのくらい神経がピリピリすることなのかが彼の目つきや、仕草で伝わってくるように感じる。
終盤でのデニーロの身体のだらし無さ、緩みきった表情がより一層序盤での張り詰めた空気感を感じさせた。
本当に特殊メイクかと思うほどのあまりの身体の変貌ぶりにも驚かされてしまう。

それとこの映画を白黒で撮ろうと思ったマーティン・スコセッシは本当に、物凄く、偉大だなと感じる。どアップで写るバイオレンスな血飛沫ドビャーのシーンは生々しさに少し身をひいた。カラーじゃないからこそ、こういうねっとりした血の質感を感じさせる格闘シーンが撮れたんだと思うし、(血糊はハーシーのチョコレートシロップを使ったそう!)こんなに格好いい映画になれたんだと思う。
興奮して眠れなくなるほどに面白かった。