マルカマーク

レイジング・ブルのマルカマークのレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
3.5
観終わったあと、ひどく疲れた。
もしかしたら、男性のほうがわかることの多い作品なのかもしれないが、「自分に自信が持てない男の悲劇」そう感じた。

ブチギレするのも、異常なまでの嫉妬深さも、自分に自信がないからだ。
なんで?
なんでだ?
こんなに「勝っている」のに、なぜ自分を追い詰めるのか。
それは、いつかは全て失うから。
追われる身なんて、すぐ追う身に変わってしまうから。
苦しい。本当に苦しい。

引退して、恰幅の良いエンターテイナーとなったジェイクは、ボクサー時代に未練、後悔があるように映る。
たらればの独り言。
誰にも見られずにするシャドーボクシング。
でも、あのシャドーボクシングをするジェイクは、未練だけではない何か希望を持っているように見えた。
ツキがなかっただけでは片付けたくない、まだ俺は戦っているんだ。

ごちゃごちゃ言ってしまったが、ただデ・ニーロアプローチを楽しむだけでも価値のある作品。