kohei

落下の王国のkoheiのレビュー・感想・評価

落下の王国(2006年製作の映画)
4.4
《圧倒的な映像美に酔いしれる》

DAVID FINCHER and SPIKE JONZE
present

この画面から始まり、
スローモーション。モノクロ。ベートーベン。川から引き上げられる馬。
冒頭のこのシーンから尋常じゃなく惹きつけられる。

舞台は1915年、ハリウッド。
木から落ち左腕を折って入院していたアレクサンドリアという名の少女は、ほかの病棟に入院していた半身不随の青年・ロイと出会う。ロイはある策略のもとでアレクサンドリアにおとぎ話を聞かせてあげる。このおとぎ話を気に入ったアレクサンドリアは彼の話を聞きにしばしば彼の病室に訪ねてくる。
ーーーーーーーー

とにかく映像美に酔いしれるのみ。構想26年、13の世界遺産、24ヶ国以上で撮影され4年の時を費やして製作された今作は、その雄大なロケーションを見るだけでも十分な満足感を得ることができる。最近で言うと『レヴェナント』などにも同じことが言えた(故に映画館で見たい作品だが)。

ジャンルとしてはファンタジー。青年が少女に聞かせるおとぎ話の中身がこの映画の大半を占めるが、なんとこの映画CGを一切使用していない。ファンタジーでCGを使ってない映画なんて初めて見たけど、それでも圧倒的な世界観を作り出せたのは、上記のようなロケ地での撮影があったからであろう。まぁそれだけでは無理だろうというような凄まじさなのだけど。CGを使わなかったのは、おとぎ話を聞く少女のイメージを大切にしたかったかららしい。

見る前から映像美が半端ないというのは知っていたので、所詮映像を楽しむだけだろうと思っていたが、おとぎ話を聞かせ合う青年と少女のドラマもすごく感動する話だった。とにかくこの女の子が可愛いんだよね。この子の笑顔を見てるだけでめちゃ幸せになれる。今年見た映画でベスト子役です(笑)

2人の男女が"落下"し、助け合いながらそこから這い上がる美しいお話。楽しかった。映画館で見れていたら☆5だったかも。あとデヴィッドフィンチャーとスパイクジョーンズがどのように関わってるのかは、仲の良い友達ということ以外調べても全く分からない(笑)
kohei

kohei