Yoshmon

タッカーのYoshmonのレビュー・感想・評価

タッカー(1988年製作の映画)
4.2
初めてこの作品を見たのは10年前のカナダ留学時代。

リーダーシップ論でこの映画を見た後リーダーシップの分析レポートを書いて、後はひたすら議論する講義。

帰国後、見直したいと思って探したら日本にはDVDすら流通してなくてわざわざ並行輸入してゲット。

と思ったら1988年の作品が2019年ついにツタヤでレンタル開始してる。
遅い。。。

生粋の起業家とは夢想家。夢追い人。

大きな夢を抱いて、常に明るく大きな声で家族や仕事仲間とコミュニケーションをしているタッカー。
リアリスティックなキャラッツもいつしか経済的リターンではなくその夢が伝染してタッカーの相棒として同じ視線で戦っていく。

「今度、勝手なことをして俺を助けらたら・・・、昇給させてやる!」

デザイン設計担当がタッカーの望むデザインと安全機能をそのまま採用するのは技術的に難しいと判断して、独自に安全機能を十分に確保できるデザインにモディフィケーションしたことを知ったタッカーが言ったセリフ。

こんなセリフを気持ちよく言える素直なリーダーでありたい。

本当に素晴らしいリーダーは自分一人で何でもできる人じゃなくて、周りの人たちをうまく巻き込んで「チーム」として成果をあげられる人。

でもその反面、気持ちばかりが先行して正しい段取り(根回し)が行われず、将来競合となりうるタッカーの芽を早めに摘んでおきたいビッグスリーに揚げ足を取られ・・・。

何より一番の問題は大企業の怠惰。
力ある巨人たちが自身の利益しか考えない社会からはイノベーションなど生まれない。
アメリカン・ドリームを謳っているアメリカも例外でなかったのか。

タッカーが重役たちと全力でぶつかってまで重要性を主張した安全機能の一つは、今日ではどのクルマにも当たり前についているシートベルト。

自動車の歴史にタッカーというクルマと人物がいた事実を覚えておこう。

量産が始まる前に会社はなくなり現存するクルマは50台。(その内、動くのは46台)

いつかお目にかかれたら良いな。
Yoshmon

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