このレビューはネタバレを含みます
子供のいない市井の平凡な夫婦(上原謙、原節子)。倦怠期を迎えた二人の間に細波が立つ。
どこにでも居そうな普通の夫婦にそれほど大きくもない出来事を起こす物語を観守っていると、一体最後はどうするつもりなのか?と段々と気になってくる。
色々とあって東京から大阪に向かう汽車の座席に並んで座っている二人。夫は疲れて眠ってしまっている場面に妻のモノローグが被さるラストシーン。
「私のそばに夫がいる。目をつぶっている。平凡なその横顔。生活の川に泳ぎ疲れて漂って。しかもなお戦って泳ぎ続けている一人の男。その男のそばに寄り添って、その男と一緒に幸福を求めながら生きていくことを、そのことが私の本当の幸福なのかもしれない。幸福とは、女の幸福とはそんなものではないのだろうか」
と、いかにも小説風の台詞で終わる。
これが昭和20年代の夫婦の普通なのでしょうか?私にはよく分かりません。
少なくとも我が家とは全〜然違います。